559-0011 大阪市住之江区北加賀屋2-11-8
北加賀屋千島ビル101号

がん温熱療法「ハイパーサーミア」について

「ハイパーサーミア」は、温熱を利用したがん治療です。

がん温熱療法ハイパーサーミアとは、身体の外側から高周波電流を流して病巣の温度を上げる治療法です。がん細胞は、正常組織と比べて熱に弱いという特性を持っています。また化学療法や放射線治療と併用することで、それぞれの治療の効果を高めることも期待できます。
がんの病巣を狙って高周波電流を流します。高周波は身体の奥深を加温します。正常組織は毛細血管がすみずみまではりめぐらされ、加温によって毛細血管が拡張して血流が増加し熱の放散が起こるため、組織の温度が上がらない仕組みになっています。
一方がん組織は、血管が急速に新生したため毛細血管が拡張しないので、加温によって熱が上がりやすくなっています。
その結果、周囲の正常細胞は損傷がなく、がん細胞は高温に耐え切れずがん組織の縮小効果が期待されます。

▲正常な組織に加温した場合
正常な組織は、血流の増加によって熱を逃すので、温度が上昇しにくい。
▲がん組織に加温した場合
がん組織は血流が増えないため、熱を逃すことができず、その結果、血流が減少して温度が上昇し、栄養が行き渡らず死滅に向かう。

治療の流れとしては、治療台に横になっていただき、約40分加温します。準備時間を含めると約60分の治療となります。皮膚にピリピリとした刺激を感じることがあります。その際は電極の位置を調整し解消を試みます。ピリピリ感を感じたときには、その旨を伝えてください。入院する必要はありません。

標準治療との併用

3大標準治療とがん温熱療法「ハイパーサーミア」は併用が可能であり、またその併用によって治療効果の増大が期待できます。

[手術との併用
手術前にがんを小さくするために、化学療法・放射線治療を行うことがありますが、ハイパーサーミアを併用することでより高い効果が期待できます。

[放射線治療との併用]
放射線治療で傷ついたがん細胞の修復を、ハイパーサーミアによる加温で阻害することが可能です。特に、42℃以上でその阻害が顕著になります。また、放射線が作用しにくい環境(低酸素・低pH)に存在するがん細胞は、熱への抵抗性が低く、加温により治療効果を補うことが可能です。

[化学療法(抗がん剤)との併用]
ハイパーサーミアによる加温で、抗がん剤が細胞に取り込まれやすくなることが期待されます。また、副作用を減らすために抗がん剤を減量して治療する場合に、ハイパーサーミアを併用することで本来と同等の効果を得ることも可能です。

ハイパーサーミアによる治療が可能な疾患

頭頚部がん/食道がん/胃がん/肺がん/乳 がん/悪性黒色腫/膵臓がん/胆管がん/肝臓がん/腎臓がん/前立腺がん/膀胱がん/結腸がん/直腸がん/肛門管がん/子宮がん/卵巣がん/骨転移/軟部肉腫
※脳、眼球、血液の疾患は対象となりません。

ハイパーサーミアが受けられない方

以下に該当する方は、がん温熱療法(ハイパーサーミア) を受けることができません。

  • 心臓ペースメーカー、埋込型除細動器、人工内耳を使用されている方
  • 加温範囲にステントなどの金属を留置している方(チタン製なら大丈夫です)
  • 加温範囲に金属粉を使った刺青、タトゥーをしている方
  • シリコンなど豊胸材を埋め込んでいる方
  • 全身状態の悪い方
  • 栄養状態が著しく悪い方
  • 妊娠中、出産直後の方
  • 乳幼児
  • 意志疎通の困難などによって治療に危険を伴う方

副作用について

特に重篤な副作用はありませんが、以下のような事が起こる場合があります。

  • 加温中に皮膚表面のピリピリ感や熱感を感じることがあります。まれに皮下脂肪にしこりができ、痛みがある場合もありますが、1~2週間で自然に痛みも消失します。もし我慢ができない場合は、治療間隔を調整いたします。
  • 発汗による脱水で、起立時の気分不良が起こる可能性があります。ハイパーサーミア施行前後に十分な水分を摂取することで予防が可能です。また高齢の方や体力が低下している方は発汗により、2~3日だるさを感じることがあります。この場合は治療間隔を調整いたします。
  • 消化器のがんで機械的な狭窄がある場合は、加温により腸管の蠕動運動が亢進して腹痛が出る場合があります。

治療の内容について

標準的には、1週間に1~2度で合計で8回、1回約40分間の加温治療を行います。

[基本的な治療について]

  • 治療予定時間の最低15分前には受付を済ませ軽装に着替えて待機します。(初回のみ治療開始30分前にはお越しください)
  • スタッフの指示に従って温熱治療台に横になります。治療の部位によって、仰向けまたはうつ伏せになります。治療部位に応じて体位の調整を行います。
  • 体表冷却用の生食バッグを使ったり、ゼリーを塗る事があります。
  • 徐々に治療部位を温めていきますが、治療部位の熱感やヒリヒリ感が出ることもあります。決して我慢せずにスタッフへ申し出てください。対応・処置をいたします。
  • 治療中は、発汗や喉の渇きがあるかもしれませんので水分は摂ってください。
  • 治療終了後も発汗しますので、十分な水分補給をお願いします。

[注意事項]

  1. 治療の際、次のものをご用意ください。【バスタオル 2枚、汗拭き用タオル1枚、着替え用の下着、治療中に着用するパジャマやジャージなどの軽装着、脱水を防ぐための水分(500ml程度)】
  2. 上腹部治療の場合は、治療前3時間は、お食事を控えてください。ただし水分はお摂りください。
  3. 予定時間に遅れた場合、治療時間が短くなったり、治療自体がキャンセルとなることがありますので、ご了承ください。

[健康保険が適用されない場合]

  • 保険適用外の病気
  • 他院に入院中の場合
  • 一連(8回)の治療終了後、次回保険適用までの期間(約6カ月)健康保険使用による治療終了後、自由診療への移行はすぐにできますが、最後の治療が自由診療の場合は、治療終了後3カ月を経過しなければ、再度健康
    保険を使用する事ができません。

ハイパーサーミアの費用の目安

ハイパーサーミアは、8回実施を目安とした健康保険が適用されますが、それ以降については自費診療となります。また、下記費用に加えて再診料、検査料等が必要となります。

[8回実施した場合(保険診療)]

3割負担の場合1割負担の場合
深在性悪性腫瘍27,000円9,000円
浅在性悪性腫瘍18,000円6,000円

●深在性悪性腫瘍・浅在性悪性腫瘍の区別

[深在性悪性腫瘍]

食道がん/胃がん/結腸がん/直腸がん/膵臓がん/胆管がん/肝臓がん/腎臓がん/前立腺がん/膀胱がん/肺がん/子宮がん/卵巣がんなど

[浅在性悪性腫瘍]

頭頚部がん/乳がん/悪性黒色腫/肛門管がん/骨転移/軟部肉腫など

【お電話での受診予約について】

  電話番号:0570-06-2323
  【受付時間】
  平日:9:00〜18:00 土曜:9:00〜12:00
  ※日祝は休業

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